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共通テストを受けて講師や生徒がまず抑えるべきポイント

今年の大学入試から実施されることになった大学入試共通テスト、ついに初回が実施され、その全容が明らかになりました。


改革の目玉ともいえた英語の民間試験活用や記述問題の出題は見送られることになりましたが、それでも、受験改革の中心だった英語は大きく様変わりし、今年の受験生を大いに苦しめました。


これを受けて今後の受験生はどう勉強していくべきか、逆に、講師や塾はどう指導プランを立てていくべきか。まだ研究が進み切っていない部分もありますが、まず今の段階で抑えておくべき点を、学習塾Baker Streetなりにまとめてみましたので、紹介いたします。




①センター試験と共通テストの変更点を把握する。

他にも、リスニングでは1回しか読まれない問題が出題されるようになったり、数ⅠAは試験時間が60分から70分にかわったり、リーディングは語彙数が1.3倍になったりと、様々な点で従来から変更が見られています。




②共通テストの平均点と難易度から傾向を把握する

大きく変わったと言われながらも平均点としてはそこまで変わらないじゃないか、という声もあるかと思います。初回ということで制作者にとっても難しい部分はあったかと思いますし、実際、大きく平均点が上がった科目の中には得点調整が実施されたものもありました。


ただ、結論としてはやはり全体的に難化といえるでしょう。平均点が大きく変わらなかったのは、下記のように、ある意味では上位層にとっては簡単になったととらえられる部分もあったため、中位~下位層が成績を落としたものの上位層が好成績を上げたため平均点が全体として大きくかわらなかった、という見方が今のところ有力なように思います。




③改革の中心である英語の概要をつかむ=共テ全体の概要が見える

英語は形式だけでなく中身も大きく変わりました。よく言えば情報処理能力を問うテスト。悪く言えば作業ゲー。深く読み込むような文章は少なく、さっと要点をつかみながら読める上位層の生徒にとっては、設問と本文を照らし合わせるだけの問題傾向とも受け取れます。これを思考力を問う試験と捉えられるのかどうかはなんとも言い難い部分はあるかと思いますが、それはいったん置いといて。


いずれにしても深く読み込んで考えるような問題ではないため、比較的さっと読める文章にかわりました。それが上位層にとっては簡単になったと言われる所以です。


もちろん、設問と本文の照らし合わせを行うべき問題が格段に増えたことでめんどくささは増したので、上位層にとっても一概に簡単になったとは言えないかもしれませんが。


いずれにしても、ニッチな発音問題や文法問題は消えてくれたので、重箱の隅をつつくような知識までカバーする必要は(共通テストのみでいえば)なくなったといえるでしょう。


その分、しっかりと文章を読めるような文法・文構造理解や語彙力(深さと広さの両方)の重要性がさらに高まりました。






④学習・指導ペースを見直す!

内容が難化したわけですから、当然ながら学習ペースも従来のものより早めていかなければならないわけですが、具体的にどれぐらいはやめなくてはならないのでしょうか。


この点については、今回の大学入試改革は2021年度から該当学年で完全移行が始まる「新学習指導要領」と強く関係しているということを理解すればおおよその目安が把握できます。


新学習指導要領でも改革の中心は英語でした。


今まで「外国語活動」として扱われていた英語が教科化し(ようは生徒の評価対象になる科目になった)、5~6年生で教科として英語を、3~4年生で外国語活動として英語を学習することになりました。小学校での英語学習が早まったのですから、中高にもその影響は波及します。


例えば、これまで高校での新出範囲だった仮定法、現在完了進行形が中3に降りてきました。中学内でも、今まで中2に勉強していた未来の文が中1に、中3の現在完了形が中2に学習範囲にというように、全体として学習内容が前倒しになっています。


この新しい学習指導要領はすでに適応されていますが、今までは移行期間ということで、教科書は従来のものを使用していました。これが、来年の中1からは完全に新しい教科書、つまり、新学習指導要領に沿った教科書の使用が始まるのです。


この一連の改革のゴールとして存在するのが大学入試共通テストですから、基本的には新学習指導要領を意識して作成されていると判断するのが妥当でしょう。


その観点でいうと、新学習指導要領は旧指導要領と比較して約3~6か月ほど学習内容が前倒しされています。ということは、共通テストの対策に向けても従来に比べ3~6か月は早いペースで学習・指導していく必要があると当校では考えています。




より具体的にどんなことをいつまでに終わらせないといけないか。

例えば、システム英単語のような基本単語帳であれば、共通テストの一点のみでいうとステージ2までは高2終了までにほぼ完ぺきな状態で覚えている必要があるでしょう。


また、今までセンターの大問2対策として使用されていた文法総合問題集系は、あくまで長文問題に取り組むための一段階というイメージになりますので、こちらも取り組みだす時期は今までより早めていかなくてはなりません。




文法問題が大問として出ないからといって文法問題に取り組む必要がないというのはかなり早計です。多少の工夫は必要ですが、文法演習問題にもしっかり取り組むべきでしょう。




というわけで、指導者はもちろんのこと、特に高2生は勉強ペースを大幅に修正する必要がありますから、まず共通テストについて正しく把握し、来年のテストに備えていきましょう。


今回の内容はYoutubeの動画でも紹介しています。ぜひご視聴ください!





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※以下、校内配布の"Baker Times"に掲載内容を加筆した文章です。 2021年度の入試を終え、無事、当校の生徒は誰一人路頭に迷うことなく進学先を確保することができました。指定公推薦や内部進学生を除くと夏の時点で在籍していた生徒は6名、合格校としては国公立大が1校、関関同立が4校でした。 共通テストが大荒れしたことで、国公立志望者が第一志望の出願自体を諦めるケースもあり、国公立入試に関しては

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