ご存知の方も多いと思いますし、ちょっと今更感はあるのですが。。。
大学受験生御用達のシステム英単語が、大学入試が大きく変わる今年度に合わせて2019年末に装い新たになりました。その他の単語帳もこの時期に変わったものが多いのですね。
受験生向けに当校でもメインで使用しているシス単(個人的にはデータベース派ですが、いかんせんシス単を採用している学校が多いので・・・)。カバー以外に何が変わったのかを検証してみました。
これが新しいシス単。今までのものに比べるとなんだか重厚感がありますよね。
しかし!中身は正直そこまでかわりません。一応前回と同じ5訂版ということで、掲載単語に大幅な変更はありませんでした。
じゃあ、前のやつを持っている人は買い替えた方がいいのかという疑問がわくと思うのですが・・・。
結論としては、(どうせなら)買い替えた方がいいです。
ただし、現受験生(2020年10月現在)はもうここまで来たら前のやつでいいと思いますし、もしシステム英単語はばっちり覚えたから別の単語帳やりたいよ!という人も、これを買うならデータベース4500など、違うやつを買った方がいいと思います。
現高1生からは学校指定で買っている場合でも新版になっているはずですので問題ないでしょう。
考えるべきは高2生ですね。1年のときにシス単を買ってしまった人は旧版なはずです。まぁどうせあと一年あるので、旧版によほどのこだわりがなければ買い替えておくべきかなという気はします。
というのも、新掲載単語・消滅単語だけでなく、掲載順が大きく変わった単語がかなり多いんですよね。シス単にも記載されていますが、この変化具合は結構近年の入試やCEFRの語彙レベルが反映された結果となっています。
言語は生き物です。時間を経れば姿かたちは変わっていきますし、不易もあれば流行もある。ある単語の出現頻度が大きく増えたとすれば、その背景には社会情勢や世界的な流れなど、出現頻度が増えるべくして増えたといえる何かしらの必然があるはずです。
ほとんどの単語はむしろ不易的な単語(流行に関係なく常に大切な基礎単語)ではありますが、プラスαで覚える単語はどうせなら近年頻度が高まったホットなもののほうがいいですからね。
また、シス単は、もちろん出来る限りは全単語を抑えてもらいたいんですが、優先順位をつけるとしたら絶対覚えてもらいたいのはStage1と2、つまりは1~1200までの単語です。ここまではレベルに関わらずmustで覚えたい。あるいは優先順位をつけて覚えるときにstageごとに覚えていくっていう人もいると思うんですね。
で、旧版と新版でこのstage間、例えば、stage1掲載だった単語がstage2に降格している、あるいはその逆というのがかなり多いんです。
学習塾Baker Streetには自作のシス単テスト作成ツールがあるのですが、それによると新掲載単語、掲載が消えた単語、掲載stageが移行した単語の数は以下の通りです。
※自作の為、多少のカウントミスや間違いが含まれる可能性があります。
※掲載順の変更はかなり数が多かったため、掲載stageの移行があっても掲載順が大きく変わっていない単語は省略していることがあります。また、掲載順が大きく変わっていてもstageが変わっていない単語は省略しています。
※意味合いの異なるstage5の単語はカウントを省略しています。
・新掲載単語:79語
・消えた単語:85語
・ステージ間の移動があった単語:178語
繰り返しになりますが、たぶん正確な数ではありません(もう既に数あってないですしね・・・)!エクセルデータで目視しつつ集計した語数で、かつ多義語が集められているstage5は比較対象から外しているので、誤差はあるかと思います。ただ、それでも順番が大きく変わった単語の多さは目立ちますよね。
詳しくはこちらのデータでご確認いただけます(しつこいですが、間違ってるとこもあると思いますから悪しからず)。ちなみに、意味まで載せてしまうと色々と問題ありそうなのでそこは省略しています。以下は気になった点の抜粋です。
【掲載の形がかわったもの】
新掲載単語と掲載から消えた単語ですが、一部はカウントが難しいものもあります。例えば下記のような形が変わったものですね。
・exhaust(旧版)
・exhausted(新版)
【気になった新掲載単語】
新版の新出単語一覧で目立つのが副詞etcの章にまとめられている以下の接続詞や前置詞などです。
・whether
・unless
・unlike
・throughout
・nor
・get rid of
・in spite of
・beyond
結構な数がstage1に追加されています。まぁ大部分が「なんで今までなかったんだろう」ぐらいの基本的なものではありますね。
【掲載から消えた単語】
掲載が消えたものの中には、以前までstage1や2に掲載されていた下記のような基本語彙も多々含まれています。一部は新版にも何かしらの形で掲載されていますので、基本的過ぎてあえて省略したのかもしれませんね。うちでは扱ってないのでわかりませんが、シス単ベーシックに回されたというのもありえそうです。
・active(新版ではpassiveの欄に対義語として掲載されていました)
・actually
・aid
・bottom
・broad
・disease
・enter
・equal
・experience
・introduce
・join
・limit
・local
・public などなど。。。
びっくりするぐらい基本的な語彙がずらっと並びます。これらの単語があえて外されるというのはちょっと興味深いですね。ちなみに、雑草という訳で掲載されていた"weed"も消えてしまいました。なお、基本的にはマリファナのことです。
【なぜに?という新掲載単語】
こうしていくつかの基本的な語彙が消えていった一方で、なぜか今度は掲載されるようになった同じくらい基本的な語彙がいくつかあります。
・except
・false
・lazy
・text
一見、上述の語句とあえて入れ替えるほど大差があるようには思えませんが、まぁ深い理由があるのでしょう。
・chest
旧版には載っていなかったchestがなぜか新掲載。しかしなぜにchest?と思わないでもないですが、3行にわたる青文字解説が綴られているなど、選定者の強い意志が感じられます。ちなみに、さっきのexcept、falseも同じく長めの青字解説が掲載されています。やはり意図があるようですね。
・cluster
どことなく怖いですよね。コロナ前に発売された同書ですが。。。学者の先見の明でしょうか。。。
・suck
吸う、という意味で載っています。ご存知の方も多いと思いますが、結構悪い意味でも使う言葉ですので、これだけ載せるのはどうなのだろうかと思う部分もありますが。しかも例文が
"suck blood from humas"
「人間の血を吸う」
というあえてのチョイスになっています。
・mate
連れ合い、という訳で新掲載。オーストラリアやニュージーランドでよく使われる表現で、なんでしょうね、bro(兄弟)みたいな、「友達」のさらに親しみある表現です。
僕はオーストラリアには行ったことがありませんが、mateと聞くとこの動画を思い出します。世界的に結構バズった動画です。アメリカ英語に慣れきっている筆者としては正直はじめは何言ってるかさっぱりわかりませんでした。
次は掲載stageが変更した単語一覧(灰色の色塗りが旧版)です。ただし!新版と旧版ではstage3と4の単語数が異なりますので、その辺の境は大体にしてます。1~600がstage1、601~1200がstage2、新旧で異なりますが、1201~1700をstage3と考えて、残りをstage4としています。
ですので、stage3~4間で変更していても掲載番号的に大幅な変化がない単語は含まれていません。
また、掲載番号は大きく変わっていても新旧で同じstageならこれもまた掲載していないのでそのあたりは悪しからず。
基本的にはstageが一つ変わっているのがほとんどで、例えばstage1にのっていたのにstage4変わりました、という単語はたぶんありません。
そんな中、ごく一部の単語はstageを±2していますので、紹介させていただきましょう。
【掲載stageが±2(掲載順が大幅に変更)した単語】
・necessarily(旧:599⇒新:1694)
旧版でstage1掲載だった同単語ですが、新版では一気にstage3終了間際まで後退。難易度が増してくる同ステージにあっては比較的なじみ深い単語ですよね。例文は新旧変わらずで、
"not necessarily true"「必ずしも本当でない」
というあえてのややこしい表現にしてあるところが何とも。
・overnight(旧:1680⇒新:598)
こちらはうって変わって、stage3の終盤にあった同単語が一気にstage1まで下克上。1000以上もの単語を颯爽とovertakeしていきました。ちなみに例文は、
"stay overnight in his house"「彼の家で一晩泊まる」
と、シス単にチラホラ見受けられるどことなく怪しい文章になっています(英語的にはそうでもないんですけどね)。
他には
・thirsty(旧:1668⇒新:563)※stage3⇒1
・funeral(旧:995⇒新1913)※stage2⇒4
がランクイン。どちらもそんなに重要性が大きく変化しそうには思えない基礎単語ではありますが、ここにもまた理由があ(以下略)。
ということで、いかがでしたでしょうか。同じ単語帳の変化を見比べるというのも中々面白いものですね。とりあえず新版へのデータ修正は死ぬほど面倒でしたが、こうして中身を調査して共有できたので良しとしましょう。でももうしばらくシス単は見たくありません。
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